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大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
日常生活でスタッフが感じたことや、弊社のサービスの紹介をしていきます。

飲み込まれる「サイレントマジョリティ」(中野)2015年9月4日 金曜日

■五輪エンブレム騒動について
 先日の五輪エンブレム騒動を始め、最近さらにネットユーザーの声の影響力が大きくなってきているように感じています。

最初の綻びから、デザインに詳しい人の指摘、デザインには詳しくないけれど興味を持った人による膨大なリサーチ、連日の新しいリサーチ結果の発表、追随するマスコミ…。ついにはエンブレムの取り下げという事態に…。

ネットがない時代であれば、せいぜいデザインに詳しい人による疑惑が週刊誌に載るくらいで、一般生活者が疑惑を知る由もなかったことでしょう。
疑惑を知ったとしても、「そういう疑惑があるらしいけど、それで選考をやり直すのに余計な費用を使う必要はないんじゃない?」あたりの意見に大体集約しそうな気がします。

また、ネットの有無関係なく、そもそも五輪エンブレムに意見をするほど思い入れを持つ一般生活者がどのくらいいるのか。少なくとも、私はそこまでの思い入れはありません。
大抵の人は「あー、こういうデザインに決まったんだね」程度で、賛否を表明できるほどの意見は持ち合わせてはいないのではないでしょうか。

こういったことを考えると、最初に、やいやい言い出した人の意見がだんだん市民権を得て、まるで一般生活者の総意のようになる様というのは、非常に恐ろしく感じます。

■ネットユーザーの声が大きくなる仕組み
ネットユーザーの声の影響力が大きくなってきているように感じる理由としては、ネットでの拡散のスピードと量が加速していることが理由として考えられます。

90年代の「東芝クレーマー事件」がよく知られるようになったのは、東芝の対応について糾弾したホームページのアクセス数が徐々に増え、大手マスコミが取り上げるようになってからのことで、騒動がよく知られるようになるまで、半年はかかったようです。

一方、五輪エンブレム騒動は発端となったエンブレム発表が7月24日、取り下げが9月1日ですので、この間1ヶ月強しかかかっていません。

少し前までこういった騒動は2ちゃんねる発が多く、一般生活者にまでは波及しないことが多かったように思いますが、最近は2ちゃんねるやTwitterなどの公開SNSが相互に燃料を補給しながら騒動が拡大していくパターンが多いような気がします。

(1)2ちゃんねるとTwitterでちょっとした騒動になる
(2)騒動のまとめサイトができて騒動に触れる人が増える
(3)2ちゃんねるとTwitterでの騒動がさらに拡大する
(4)アルファルファブロガーなどネット界の有名人が騒動に言及
(5)さらにまとめサイトのコンテンツが増える
(6)ネット上のニュースを取り扱う媒体がニュースとして取り上げる
(7)アルファルファブロガーが騒動内容を記事にする
(8)(7)(8)がYahoo!などの有名ニュースサイトに転載される
(9)テレビのワイドショーが取り上げる
(10)週刊誌がネタにする

五輪エンブレム騒動もリアルタイムで追っていたのではないので実際のところは分からないのですが、今回もおそらくこういった流れで騒動が拡大していったのではないかと思われます。

昨今の騒動のスピードと量が加速している原因は、まとめサイトの存在です。まとめサイトができるまでは、単純に騒いでいるだけで賛否善悪どちらともついていなかったことが、まとめサイトで恣意的にまとめられることにより、騒動の方向性が決定づけられます。
まとめサイトは大体アフィリエイトを目的としているので、PV数を増やすためにより煽情的なタイトルを付け煽ります。

ネットリテラシーが低い層は、原典にあたることをしないので、まとめサイトが原典となり、煽情的な内容を真実として認識します。
騒動が進むにつれ、ネット上での情報量も充実し、真実がどうであるかに関係なくもっともらしさが増していき、多少ネットリテラシーがある層もYahoo!ニュースに取り上げられる頃には、真実として認識するようになります。

テレビのワイドショーに取り上げられる頃には、一コンテンツとして成立するほど情報量が充実しているため、 最初から真実らしいものとして報道され、新たな視点が付加されたり、真っ向から否定されることはもうありません。

こうして、賛否どちらでもなかった人の意見が「真実らしいもの」に侵食されていき、まるで一般生活者の総意のように意見が一致していく。

■ 真実はどこに?
一般生活者は本当の真実を知る術を持たない以上、真実は人の数だけ存在すると言っても過言ではないでしょう。

外部からの情報量が圧倒的に多いこの時代。自分の意見をしっかり持って、安易に流されないよう、情報を取捨選択する力を身につけたいものです。

(中野)

地方の力(中野)2014年11月10日 月曜日

■地方が話題
このところ、地方が元気というニュースをよく目にします。
弊社も加入している日本マーケティング協会の機関誌「マーケットホライズン」の2014年8月号でも、「地方には宝が眠っている!?東京より地方」という特集で、地方経済が取り上げられていました。

この特集では、TSUTAYAで有名なカルチュア・コンビニエンス・クラブに公立図書館を委託したことで話題を呼んだ佐賀県武雄市や、市民協働推進プロジェクトの一つとしてJK(女子校生)課を立ち上げた福井県鯖江市の取り組みなどが紹介されています。

左:武雄市図書館(佐賀県武雄市) 右:JK課(福井県鯖江市)  「マーケットホライズン」2014年8月号より

また、今年度の前半は、上京志向がなく地元で強い人間関係と生活基盤を作り上げ、家族生活を楽しもうとする「マイルドヤンキー」の消費経済が注目を集めたことも記憶に新しいですね。

■地方が強い理由
このように地方が元気な理由は上記の特集の中でもいろいろと述べられていますが、主に次のようなことが挙げられるのではないでしょうか。

①危機感が強い
これも今年ですが、2040年に20~39歳の女性の数が49.8%の市区町村で5割以上減り、全国約1800市町村のうち523では人口が1万人未満となって消滅する恐れがあるという、日本創成会議・人口減少問題検討分科会が発表した推計が大きな話題を呼びました。
身も蓋もない話ですが、もう後がない!という危機感が元気な地方の原動力となっています。

②人口に占める生産人口が高い

 
現在の人口問題に関する問題の一つとして、団塊世代がリタイアし、非生産人口に回った際に社会保障費が膨らみ、生産人口では賄いきれないというものがあります。
この問題は、地方では大きな問題にならないのです。
種明かしすると、地方では団塊世代の人口自体が既に少ない。よって、この手の危機は団塊世代よりももっと上の年代がリタイアした際に既に訪れており、もう最大の危機は越えつつあるのでした。

今後30年間に限定すると、地方の方が優位な環境にあるのです。

③密な多様性のあるコミュニティ
「マイルドヤンキー」が話題になった頃、あたかもそのような人たちが新たに発見されたかのような取り上げ方に、ネット界隈では地方在住者から反論が起こっているのをしばしば見かけました。 

地方では、「マイルドヤンキー」の定義に当てはまるような人と、大卒で地元の大手企業に勤めているような人は同じ地域で共存しており、改めて発見するような対象ではなく、そういった見方は都市生活者からの一方的な視点に過ぎないという指摘です。
 これは、ある意味、地方の方が都市よりも、多様な価値観を持つ人たちと接する機会が多いということができるでしょう。
都市部では、異業種交流会にでも参加しないと、自分とは異なる仕事や生活をしている人たちと出会える機会がなかなかありませんが、地方は規模が小さいゆえに、日常生活で異なる仕事をしている人と知り合うことが、比較的容易です。
コミュニティの規模が小さいので、新しいことを始める時には、早く意思決定をすることができます。

④ソーシャルメディアの普及
ひと昔前は、地方で先進的なことに取り組んでいても、テレビや新聞などの大手媒体に取り上げられなければ、他の地方の人が知る手段はありませんでした。しかし、ソーシャルメディアの発達によって、現在では、取り組みを自分たちで発信し、興味のある人にダイレクトに情報を届けたり、
賛同者から資金を調達したりすることができるようになりました
地方の人口を増やすためには、現在いる若者が都市に働きに行かなくてもよい環境を作り、地方で子供を産み育てることが求められます。しかし、それだけでは生産人口を増やすために20~30年はかかってしまいます。
 外部の賛同者が増え、居住者が増えれば、さらなる力となることが期待できます。

■「大阪」の立ち回りは…
創業以来、弊社が本拠地としている「大阪」は都市的な一面も持ちつつ、一方で、地方的な価値観も強いエリアです。
経済の衰退・地盤沈下が久しく続いている「大阪」でも、地方ならではの取組みが出てくることを期待したいところです。

(中野)

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